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2026/04/06

こんにちは!OFFICE PASS事務局です。
今回は、多摩センターにあるコワーキングスペース「コワーキングCoCoプレイス」を運営する、株式会社キャリア・マムの代表取締役堤氏に、「子育てと仕事の両立、企業が知っておきたい外部スペースの役割」についてお話を伺いました。
保育室を併設したコワーキングスペースというユニークな取り組みの背景には、単なる利便性にとどまらない、長年の事業経験と個人としての実感がありました。
ーーコワーキングCoCoプレイスは、保育室が併設されたコワーキングスペースですよね。なぜ、このような施設を作ったのでしょうか。

まず大きかったのは、送迎という負担の重さを軽くすることです。
自分自身、子育てと仕事を両立する中で、送迎がどれだけ大きなハードルになるかを実感してきました。1人でも大変なのに、2人、3人となると本当に手が回らなくなる。
「働く場所のすぐ隣に、子どもを預けられる場所があったら、どれだけ助かるだろう」
そんな思いが、最初のきっかけでした。
また、親が「自分だけの時間を持てるようにする」というのも重視していました。
事業を通じて多くの親子を見てきましたが、子育てに余裕を持てない人も少なくありません。
子どもを優雅に抱きしめて、いつくしんで……そんな余裕がないほど、いっぱいいっぱいの状態の人も沢山います。
そうした方が、保育室に子どもを預け、2時間でも仕事に集中する時間を持つと、驚くほどいい顔になって帰ってくるんです。
イライラ状態の親がいい、なんて子どもはいませんし、好きで笑顔をなくしている親もいませんから、親にとっても、子どもにとっても、自分に集中する時間はとても大切なものだと感じています。
ちなみに、こうした取り組みは「保育」に限ったものではないと考えています。
働く人の事情は、子育てだけではありません。介護を担っている人もいれば、医療的なケアが必要な家族を支えている人もいます。
重要なのは、「保育室があること」そのものではなく、働く場所と、見守りや支援が必要な場所が、物理的にも心理的にも近い、ということで、我々としても、地域全体でもそのような施設がもっと増えていけばよいなと思っています。
——働くことと育児の両立は、企業の取り組み無しに成立することはありませんよね。企業や組織は、どのように両立ワーカーと向き合えばよいでしょうか。
まず大前提として、「普通」を普通だと思わないことが重要です。
妊娠初期でも、現在は80%以上の人が働き続けているというデータがあります。一見すると、「みんな問題なく妊娠し、出産し、仕事に復帰している」ように見えますよね。
でも実際は違います。
不妊治療を経て妊娠する人もいれば、子どもに支援が必要な家庭もある。書類上は健康でも、体調を崩しやすい子もいます。
今、問題なく働けている人は、
たまたま結婚できて、
たまたま子どもができて、
たまたま母体が健康で、
たまたま子どもも健康だった。
本当に「たまたま」なんです。決して、決してそれが普通ではありません。

企業が「普通」を前提に制度や評価を設計してしまうと、その枠から外れた人が一気に見えなくなってしまいます。
だからこそ、規模の小さい企業であれば経営者が、規模の大きい企業であれば組織のリーダーが、1人ひとりと対話する機会を持つことが不可欠だと思います。
ちなみに、株式会社キャリア・マムでは「目標管理シート」を導入し、
期初の事業目標を元に各部署の上長が部署目標を設定、その達成にむけた個人目標を
各自で設定しています。
毎月の1on1にくわえ、半期ごとに振返り面談を実施、またSlackやオンラインMTGを活用して、リモートワークであっても公平な評価ができるようにしています。
また、子育てをしている人だけでなく、介護をしている人もいます。
また、子どもを産まない選択をした人、家庭の事情がなくても、だからこそ仕事の面ではいつもフォロー役になりがちな人もいます。
そうした人たちの存在にきちんと目を向け、感謝と「ありがとう」の言葉を忘れないことも、組織としてとても大切です。
——社内でのコミュニケーションが重要ということですね。
社内はもちろんですが、社外でのコミュニケーションも同じくらい重要だと思っています。
困りごとを社内で共有することも大切ですが、
「ただ話を聞いてほしい」
「頑張っていることを誰かに認めてほしい」
そんな気持ちを受け止めてもらえる場が、必ずしも社内にあるとは限りません。会社は働いて、成果を出すための場ですからね。
そんな中で、友人や行きつけの場所、そしてコワーキングスペースなどの外部スペースが大きな役割を果たします。

社外に「居場所」を持つことで、孤立を防ぎ、気持ちを立て直すきっかけにもなるのです。
企業がコワーキングスペースを契約し、従業員が利用できるようにすることは、単なる時間効率の改善にとどまりません。
従業員が地域や社会とつながる拠点を、
「会社の外のこと」と切り離すのではなく、従業員を支える手段の一つとして、自分事として捉えてもらえたら嬉しいですね。
——子育てや介護と両立しながら働く従業員に活躍してもらう意義は、企業にとってどこにあるのでしょうか。
人手不足や多様性といった話もありますが、根本はもっとシンプルだと思っています。
企業は、その人にしかない価値があるから採用しているはずです。誰でもいい、誰でも替えがきくなんてことはないはずなんです。
家庭の事情があっても、その価値を発揮してもらう。
両立支援とは、そういうことではないでしょうか。
そのためには、
腹を割って話をすること、
そして腹をくくって、必要な制度や外部リソースに投資することが求められます。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、
それを「きれいごとだと分かったうえで言い続けられる覚悟」を、企業や組織には持ってほしいと思っています。
株式会社キャリア・マムが運営するコワーキングCoCoプレイスの紹介記事はこちらから
堤 香苗(つつみ かなえ)
株式会社キャリア・マム 代表取締役
神戸女学院高等学部、早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学在学中よりフリーアナウンサーとしてTV・ラジオのDJ、パーソナリティとして活躍。
結婚や出産に関わらず、仕事と家庭のどちらも大切に自分らしく働きたい女性たちの活躍の場を提供することを志し、株式会社キャリア・マムを設立。
女性の再就労支援実績が認められ、受賞歴多数。

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